「紀州犬とは」と聞いて、多くの方がどんな犬種を思い浮かべるでしょうか。
紀州犬は、和歌山県を中心に古くから存在している地域犬種です。
この記事では、紀州犬の歴史や特徴、飼育方法について解説します。
紀州犬の歴史
紀州犬は、古代にさかのぼることができます。奈良時代に書かれた文献には、紀州犬として認められる犬が描かれていることから、少なくとも1000年以上前から存在していたと考えられています。
紀州犬は、猪熊葛城山や紀伊山地の山間部で狩猟犬として使われていました。
紀州犬の特徴
紀州犬は、大型犬で体高は約60cm、体重は30kg程度あります。
骨太で筋肉質の体つきが特徴で、毛色は主に赤色や黒色、白色などがあります。頭部には三角形の耳、垂れた尾があり、凛とした雰囲気を持っています。
性格は、独立心が強く、警戒心がある反面、主人には忠実で従順な一面も持っています。
紀州犬の飼育方法
紀州犬は、大型犬のため、広いスペースや十分な運動量を確保することが重要です。
犬舎や室内で飼育する場合でも、毎日の散歩や遊びを欠かさずに行うことが必要です。
また、毛が長く、抜け毛が多いため、定期的なブラッシングやシャンプーが必要です。
病気には注意が必要で、皮膚病や関節疾患にかかりやすいとされています。
健康管理や予防接種の定期的な受け入れが必要です。
紀州犬は天然記念物!?
紀州犬は日本の国指定天然記念物に指定されています。
1979年に「紀州犬として伝えられる地方犬の生息と分布、及び形態や性格において、他の地方犬に優れた特質を有し、また文化的・歴史的価値を持っていると認められる」との理由で指定されました。
指定名称は「紀州犬」となっています。
紀州犬の代名詞!熊五郎って??
紀州犬の熊五郎は、江戸時代後期に和歌山県で暮らしていた紀州藩士・山県氏の飼っていた犬で、伝説的な犬として知られています。
熊五郎は、熊を退治するために飼われていた紀州犬の中でも特に優秀な犬で、山県氏が熊狩りに出かけるときには必ず連れていくほど信頼されていました。
あるとき、山県氏が熊狩りに出かけた際、熊五郎は熊に襲われた山県氏を救い、熊を撃退したとされています。この功績から、熊五郎は山県氏から大切に扱われ、その後も山県氏の家系に代々伝えられる名犬として愛されてきました。
熊五郎は、現在でも紀州犬の代表的な犬としてその名を知られており、和歌山県紀の国市には熊五郎を顕彰する「熊五郎の里」があります。また、紀州犬保存会が主催する「熊五郎杯全国紀州犬保存会展覧会」が毎年開催され、紀州犬の普及・保存に貢献しています。